たびとの旅路 ~電脳砂漠の冒険譚~

フロッピー頼りに歩き、クラウドの地平を見つめる今日まで。見つけたオアシス、迷い込んだ砂の迷宮、全てこの羊皮紙に。

魂の悲鳴を聴け ~Intel NUC、異音と振動の謎を解き明かす分解の儀~

どうやら、一筋縄ではいかない砂の迷宮に迷い込んだらしい。この顛末を書き残しておくか。

かつて、我が仕事場の主役だった、Intel NUC8i5BEHという名の、小さな魔法の箱。しかし、長い旅路の果てに、その魂は、ある日突然、断末魔のような異音と、大地を揺るがすほどの振動を発し始めたのだ。

動くものといえば、CPU冷却ファンくらい。原因はそこだと、頭では分かっている。しかし、これは尋常ではない。HDDが悲鳴を上げていた、遥か古の時代を思い出すほどの、凄まじい音と振動だ。 私は、この魂の悲鳴の原因を突き止めるため、禁断の「分解の儀式」を執り行うことを決意した。

この羊皮紙のあらまし

この羊皮紙が導く者

  • Intel NUCという名の、小さな魔法の箱を愛する者
  • その禁断の内部構造を、自らの手で解き明かしたいと願う者
  • パソコンという名の相棒が発する、異音の正体を知りたい探求者

第一の儀式:筐体の封印を解く

まずは、魔法の箱の裏蓋を開け、そこに繋がるSSDの神経(SATAと電源コネクタ)を、慎重に切り離す。

SSD のSATAコネクタと電源コネクタを外す

魂の記憶と、外界とを繋ぐ神経を断つ

次に、マザーボードという名の、魂の祭壇を、筐体から取り出す準備を進める。SSDとメモリを取り外し、無線LANアンテナなどの、細かな繋がりを一つ一つ解き放っていく。

マザーボードを外す準備が整った状態

魂の祭壇を取り出す、最終準備

そして、電源スイッチという名の、最も繊細な部分を壊さぬよう、LANコネクタ側から、ゆっくりと祭壇を持ち上げる。

電源スイッチに注意しながらLANコネクタ側を持ち上げる

繊細な聖域を避け、慎重に祭壇を持ち上げる

第二の儀式:魂の悲鳴の正体を暴く

ついに、魂の祭壇は、その全てを我々の前に晒した。 祭壇を裏返すと、その面積のほとんどを占める、巨大なCPU冷却ファンが姿を現す。

CPU冷却ファンの電源コネクタと固定ネジを外す

悲鳴の源、巨大な冷却ファン

この状態で電源を入れると、案の定、凄まじい音と振動が発生した。ファンの電源コネクタを外すと、世界は沈黙を取り戻す。原因は、確定した。

最終儀式:悲鳴を鎮める、一滴の聖油

ならばと、私はファンをさらに分解し、その心臓部を覗き込んだ。しかし、驚いたことに、どこにも物理的な破損は見当たらない。

CPU冷却ファンの羽を引き上げて外す

どこにも異常は見当たらない、謎に満ちた心臓部

これほどの音と振動が、何も壊れていない状態で発生するとは…。拍子抜けしながらも、私は一つの仮説に思い至る。「軸の摩擦抵抗が、増しているのではないか?」と。 手元にあった「KURE 5-56」という名の、万能の聖油を、軸に一滴垂らしてみる。

すると、どうだろう。あれほどけたたましかった悲鳴は、嘘のように静まり、大地を揺るがした振動も、完全に消え去ったではないか。 一時しのぎの策ではあるが、KURE 5-56は、見事に魂の悲鳴を鎮めてくれたのだ。

羊皮紙を巻く前に

今回の分解の儀で、私はNUCの異音と振動の、意外な原因を突き止めた。それは、部品の破損ではなく、単なる潤滑不足だったのだ。 後日、私はバイク用のシリコングリスという、より本格的な聖油を塗り直し、魔法の箱を、ほぼ無音の状態へと再生させることに成功する。

この羊皮紙が、同じように相棒の魂の悲鳴に悩まされる、未来の冒険者の助けとなることを願う。

おっと、どうやら相棒が腹を空かせたようだ。今日はこのへんで筆を置くとしよう。

砂漠で見つけた魔法のランプ

ラクダの独り言

ご主人が、ウンともスンとも言わなくなった鉄の箱をバラバラにして、中の扇風機に油を差している。「これで静かになった!」なんて喜んでいるが、俺に言わせりゃ、そもそもそんなにうるさくなるまで、掃除もせずに放っておく方が悪いんだろうに。まったく、人間ってのは、壊れてから大騒ぎするんだからな。やれやれだぜ。