どうやら、一筋縄ではいかない砂の迷宮に迷い込んだらしい。この顛末を書き残しておくか。
長年、私の右腕として電脳砂漠を共に旅してきた相棒、ロジクールのマウス「M720r」。その側面が、まるで消しゴムのカスのように、ポロポロと崩れ始めた。2年半という、あまりに早すぎる寿命。私は、新たな相棒を探す旅に出ることを余儀なくされた。
最初は、同じ種族である「マウス」の中から後継者を探していた。しかし、情報の砂漠を彷徨ううち、私の目に飛び込んできたのは、全く異なる種族…「トラックボール」を熱く語る、先人たちの熱狂的な言葉だった。 その熱意に負けた私は、半信半半疑のまま、入門者に最適とされるロジクールの「ERGO M575S」という、新たな種族を迎え入れることにした。これは、古き相棒との別れと、未知なる種族との出会いの記録である。
この羊皮紙のあらまし
- この羊皮紙のあらまし
- この羊皮紙が導く者
- 第一の儀式:古き相棒との別れ
- 第二の儀式:未知なる種族との対面
- 第三の儀式:魂を通わせる(Logi Options+)
- 羊皮紙を巻く前に
- 砂漠で見つけた魔法のランプ
- ラクダの独り言
この羊皮紙が導く者
- トラックボールという、未知の神器に興味を抱く者
- 長年連れ添ったマウスとの別れを考え、新たな相棒を探している探求者
- 「脱マウス」という、新たな旅路の先に何が待っているのか知りたい冒険者
第一の儀式:古き相棒との別れ
見るも無惨な姿となった、我が相棒「M720r」。親指が触れるラバー部分は、もはやその役目を終え、ただ不快な感触を残すのみ。
マスキングテープで応急処置を施し、その場をしのぐ。機能こそ問題ないが、私の心は、すでに新たな出会いを求めていた。
第二の儀式:未知なる種族との対面
ロジクールから届いた箱を開けると、そこには「ERGO M575S」という名の、見慣れぬ姿の神器が鎮座していた。
マウスよりも一回り大きいその体躯。そして、親指の位置に鎮座する、青く輝く宝玉。これが、世界を動かす心臓部か。
エルゴノミクスキーボードの隣に置くと、その異形は驚くほど自然に風景に溶け込んだ。
第三の儀式:魂を通わせる(Logi Options+)
この神器の真価は、専用ソフトウェア「Logi Options+」をインストールすることで解放される。これまで無視してきたこの儀式を、今回は真摯に執り行ってみる。
ポインターの速度を調整し、普段使わない「進む/戻る」ボタンには、「コピー/貼り付け」という、より実用的な魔法を割り当てる。これで、神器は私の意のままに動く、真の相棒となった。
羊皮紙を巻く前に
かつて、人差し指でボールを操る「フィンガータイプ」のトラックボールに触れ、そのあまりの作法の違いに即座に挫折した苦い記憶がある。だから、今回も「やはり無理だった」という結末を覚悟していた。
しかし、驚いたことに、親指でボールを操るこの「サムタイプ」は、マウスに極めて近い感覚で、数日で完全に手に馴染んでしまったのだ。
もちろん、まだ細かな作業には戸惑うし、マウスを完全に捨て去るほどの革命には至っていない。だが、腕を動かさず、指先だけで世界を操るこの感覚は、間違いなく新しい扉を開いてくれた。
今はまだ、気分や用途に応じて、古き相棒と新たな相棒を併用する旅が続くだろう。しかし、この羊皮紙が、同じように新たな相棒を探す旅人の、最初の道標となることを願う。
おっと、どうやら相棒が腹を空かせたようだ。今日はこのへんで筆を置くとしよう。
砂漠で見つけた魔法のランプ
- ロジクール M720r | 砂に還った、かつての相棒
- ロジクール ERGO M575S | 青き宝玉を宿す、新たなる神器
ラクダの独り言
ご主人が、ボロボロになったネズミの代わりに、今度は青い玉っころのついた奇妙な石を手に入れたらしい。「腕が疲れない」とか言って喜んでいるが、俺に言わせりゃ、一日中砂漠を歩く俺の足腰に比べりゃ、人間の腕の疲れなんて、そよ風みたいなもんだろうに。まったく、贅沢な悩みだぜ。
